2023年8月28日〜9月3日
3日「滝音単独ライブツアー『実印スタンプラリー』」を配信で観る。
秋定という男は本当に不思議な人間だと思う。“ボケっとした顔“という表現がこれほど似合う人もいないだろうといった具合の雰囲気なのに、ラジオを聞いているとやけに鋭かったり妙に知識が豊富だったりする。まったく中身が掴めない。「心がない」「サイコパス」などと評されることもあるようだけど、自分としては「情緒という機能の出力が弱い」という感じがする。だから「演技が下手」と散々言われるのだろう。「タクシー」のコントの乗客役がよくはまっていて好きだった。
それはそれとして、マンゲキのイベントでバスケをやったら急に一時的に人気が出たというエピソードが妙に気に入っている。中学校の体育祭のリレーで活躍した先輩が一瞬モテる(でもその後みんな早めに熱が醒める)みたいで良い。
◯ほかに観たもの
「あちこちオードリーオンラインライブ 8.30オードリーVSノブコブVSアンガールズ 流血上等!心のかさぶた剥がしデスマッチ!」(配信)
2023年8月21日〜27日
22日「鈴木ジェロニモの『説明』」を配信で観る。
放送作家なんぶ、オモコロ原宿、マミィ林田、赤嶺総理という若干不思議なメンツが、前半はジェロニモの「説明」を聞いて何を説明しているか当てるコーナー、後半は本人を交えてトーク。
YouTubeで「説明」の1本目がアップされるや否やごく一部で話題になっていて、自分自身は面白いと思いつつ何が面白いのかあまり理解できていなかったけれど、舞台の暗がりの中で淡々と吐き出される言葉からははっきりと汲み取れた。YouTubeのバストアップの画角だと顔の情報が強すぎて目が散っていた可能性が高い。たとえば「あくび」の説明が「夜に近づいている」「夜を体に入れている」「夜を飲んでいる」「飲んだ夜を気化させている」「一時的に空間と繋がっている」など、詩情以外の何物でもない。そしてこれを赤嶺総理が当てたのも痺れた。
後半で「説明」がどうやって生まれたのかを話す中で、もともと短歌が好きで自主ラジオのコーナーとして勝手に選評をやっていたことがベースにあると聞いて納得する。眼前にあるものを借り物の言葉でなくどう表現するか、自分の目でためつすがめつする力が備わっているのだろう。すぐ文芸誌からオファーが来そうだな、と思う。
◯ほかに観たもの
「さや香×ダブルヒガシ『ワーワーJAPAN』」(よみうり大手町ホール)
2023年8月14〜20日
何も観ず。
2023年8月7日〜13日
10日「ロングコートダディ単独『こぽぽ水中』」(イイノホール)に行く。
大阪公演からいろいろと細部が変わっていた。最後の長尺ネタは、感触がTwitter漫画のようだと思う(褒めている)。今更ながら、ロングコートダディの漫才はわりと”発明”だけどコントはそうではなく、結構オーソドックスにストーリーのエモーショナルさやキャラクターの味で見せる部分が大きいのかもしれない。そういえば以前の『じごくトニック』のDVD発売記念トークイベントで「昔はもっと“一撃”系をやってたけど、そっちはニッ社がおるから、別のところに移動した」という旨のことを堂前が言っていた。その中にあって、今回の「西、おもしろいことやって!」で毎回おそらくアドリブであろうくだりが入るような、作り込みすぎない遊びが併存しているのが彼らの良さなんだとあらためて感じる。
それから、「魔神」や「居酒屋」を観ると堂前は「言葉が通じない」シチュエーションが好きのかなと思う。『ふくらまくら』の「種食べていいんですか?」もそうだった。ディスコミュニケーションは笑いの定形のひとつだというのはそうなのだが、それにしてもそういうネタが多い気がする。言葉を通じたコミュニケーションに対する”信頼”が低いんだろうか。
◯ほかに観たもの
「BDB~爆裂地肩バトル~第二回ルミネ大会!!」(ルミネ/配信)
「週刊ダウ通信presentsダウ90000 夏の八演会」(六本木ヒルズアリーナ/配信)
2023年7月31日〜8月6日
2日「Gakuya Bバトルvol.24」(楽屋A)に行く。
ロングコートダディの単独で大阪に行ったので、その足で以前から行ってみたかった楽屋Aへ。ほとんど前情報無しに日程だけでチケットをとったところ、バトルライブの一環だった様子。とにかく掛け持ちで出演している人が多いことが印象に残る。お客さんが写真を撮りまくっているのを見ていると、ここにはここである種の”界隈”としての生態系が確立されていることを感じた。
バトルには出場せずMCとして出演していたボニーボニーの漫才が面白くて度肝を抜かれる。なによりとにかく声がデカい。デカいというか、”発声がしっかりしている”という印象。クラシカルな見た目に反してまったくベタではない設定をやっているのも良くて、魅了された。エンディングの回しも安定している。調べたら片方はカベポスターやダブルヒガシ、バッテリィズの同期だった。楽屋Aのトップメンバーという位置づけらしいが、納得。
◯ほかに観たもの
「ロングコートダディ単独『こぽぽ水中』」(COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール)