2023年1月2日〜8日


マヂカルラブリーno寄席』『ダイヤモンドno寄席』を配信で観る。

 後者の終盤、ガクが「みんなお笑いが好きすぎる!」とツッコんだとき、ちょうど同じことを考えていた。

 『ダイヤモンドno寄席』は主催のダイヤモンドの『M-1』最下位を含め、各人たちの去年の賞レースの成績をネタ終わりに組み込んでいたり、ちゃんぴおんずを中心に『おもしろ荘』ネタを取り込みまくったりと、とにかく”お笑い界”での出来事をベースにどんどんボケる流れだった。

 『マヂカルラブリーno寄席』は相変わらず無観客でガヤライブ。ガヤライブ自体は別に『マヂラブno寄席』の発明ではない、本人たちも初年度の爆売れを受けて「あんなライブ、いっぱいあるのに」と驚き混じりに言っていたように記憶している。でも無観客というコロナ禍で生み出された状況が、芸人たちだけでつくりあげるある種いびつな空間に至らせていて、多分それが大きくウケた要因なんだろう。

 どちらのライブにも共通して感じるのは、“お笑い”の純度が高すぎることだ。そこで参照されているのは全部お笑い界にあるもので、つまりものすごい内輪受けが展開されている。実際、野田もダイヤモンドも過去に「結局内輪受けがいちばん面白い」と発言していたはず(村上はよくわからない)。どこまでいってもお笑い、お笑い、お笑い。実際自分はしっかり笑っていたし、ライブって基本的にそういうものだよなと思う気持ちと、あまりに世界が一点に向かって収束していっているような感覚とが相半ばする。いくらなんでもみんなお笑いが好きすぎやしないでしょうか。だからこそ、その中にあって永野から飛び出した「差別だ!」というガヤが妙に際立って聞こえたんだという気がする。あれは”外”の世界があることを示す言葉だから。

 

◯ほかに観たもの

吉本興業 ダイヤモンド軍 vs 人力舎 真空ジェシカ軍』(紀伊国屋サザンシアター)

『おおみや差しライブ~GAG×ニッポンの社長~』(大宮ラクーンよしもと劇場/配信)

 ネタとコーナーとトークの予定が、ケツによるダブルアート真べぇ悪口漫談が仕上がっていてオープニングトークのまま1時間が終わった。「ニューヨークのニューラジオ」でのトークについて辻すら「こいつがあんなにしゃべってんの見たことなかったからびっくりした」と言っており、ケツ覚醒およびコンビバランスの変化の兆しがあるように思う。今年もう一段回ハネ上がりそうな気配。